「実家じまい」「家じまい」とはどういうこと?
近年、少子高齢化の進行とともに、「実家じまい」や「家じまい」への関心が高まっています。親である団塊の世代が全員後期高齢者となり、空き家の増加が深刻化すると予想されています。
「実家じまい」とは、親が高齢になって、他界したり施設に入所するなどの理由から子どもが実家を整理・処分することをいい、「家じまい」は親自身が高齢になった際に自宅の整理を進めることを指すことをいいます。
「実家じまい」の中でも、空き家になった実家をどのように対応するかは大きな関心ごとです。国土交通省の調査によると空き家は約55%が相続を機に発生しているデータがあり、実家をどのように活用・処分するかは重要な課題になります。
また、2018年時点で居住を目的としない空き家は349万戸となっており、この20年間で約2倍になっています。2030年には470万戸まで増加する見込みです。ちなみに内訳は「一戸建て」が7割以上を占め、最も多くなっています。

空き家を「売る」よりも「貸す」という選択
「実家じまい」については、大きくわけて売却か賃貸活用に分かれます。しかし、賃貸活用を選択する人は少なく、ほとんどの人は売却を選択しています。理由としては相続税を払うためというより、維持していくのが難しいとか、現金に換えて相続人の間で分割するためというケースが多いようです。たしかに賃貸需要がないような地方であったり、駅から遠い不便な立地であれば、資産を組み替える決断も必要です。
人それぞれ、いろいろな事情がありますから一概には言えませんが、相続などの際だけに限らず、実家(親の家)をすぐ売るのはもったいないと思います。売ってしまうのはいつでもでき、一時的に現金を得ることはできるかもしれません。
しかし、新たにお金を生んだり、資産を増やしたり、長期的に安定収入を得ることが難しくなってしまいます。土地さえあれば、それを担保に新しい土地を買って不動産投資を拡大することも可能です。また、賃貸物件として活用することで、資産を有効活用できるだけでなく、将来的には家賃収入によって生活の安定や老後の資産形成に繋がるため、長期的に見ても非常に有益な方法です。

空き家を賃貸活用する5つの方法
①戸建賃貸として貸し出す
リフォ-ムして戸建て賃貸にするのもスタンダードな活用方法です。戸建て賃貸は需要に対して供給が少なく、ファミリー層がメインなので長期入居が期待できるのも特徴です。しかし築年数が経っていると耐震補強やリフォーム費用がかかってくることも検討しなければなりません。家賃相場とリフォーム費用の収支バランスは必ず確認しましょう。
②シェアハウスとして貸し出す
若い単身者の需要が期待できるエリアの空き家なら、シェアハウスにするのも活用方法の1つです。シェアハウスは1軒で複数の入居者と契約できるため、賃貸運用より大きな家賃収入を得られるのがメリットです。例えば戸建て賃貸なら家賃10万円のところ、シェアハウスで5万円×3人の入居があれば15万円の家賃収入になります。ただし定期清掃や入居者同士のトラブルリスクがあるなど、運用ノウハウが求められるのは注意すべきです。
③DIY賃貸として貸し出す
空き家対策として国が推奨している、DIY賃貸として貸し出すのも一つの考え方です。DIY賃貸は入居者自らリフォ-ムできる契約方法のことで、空き家を現状のまま貸し出せるため初期費用を抑えられるのがメリット。自分好みの家をつくれるため、幅広いユーザーに検討してもらえる可能性があります。ただしDIYできる範囲を決めておかないと、トラブルになるケースもあるので要注意。明け渡し時の原状回復や設備の撤去なども、事前にしっかり決めておく必要があります。
④店舗や事務所として貸し出す
周辺のマーケットによっては空き家を住居から店舗や事務所に貸し出す方法もあります。住居より家賃を高く設定しやすく、長期入居が期待できるのが店舗・オフィス賃貸のメリットです。賃貸需要が少ないエリアの空き家でも、店舗・オフィス需要は高いケースも考えられます。事業用に貸すにあたっては専門知識が必要になることもあります。
⑤倉庫や資材置き場として貸し出す
空き家を倉庫として活用する場合、居住目的のような大規模なリフォームやリノベーションは必要ありません。荷物の保管を目的とするため、水回りの設備が老朽化していても、キッチンや浴室を使うことがないため修繕の手間が省けます。建物が荷物の保管に適した状態であれば、ほとんど準備期間を要さずに活用を開始できる点が大きなメリットです。
費用をかけずに空き家を活用する方法があります
空き家は貴重な資産です。できるだけ早い段階で、その活用方法を検討しておきましょう。ただし、空き家の問題は多岐にわたるため、一般的な活用方法がすべてのケースに当てはまるとは限りません。問題の解決には、専門的な知識が必要になることもあります。
また、空き家を貸し出す際にはリフォームなどの初期費用がかかることが多く、自己資金の準備がハードルになるケースも少なくありません。しかし当社では、そうした初期費用を当社が負担することで、空き家所有者さまが自己資金を用意せずに不動産を賃貸運用できる仕組みをご用意しています。「空き家を活用したいが費用面で不安がある」という方は、ぜひ一度ご相談ください。