そもそも「空き家」は何が悪いのか?


空き家には3つの問題がある

 近年、少子高齢化や人口減少の影響により、全国的に空き家の増加が深刻な社会問題となっています。空き家は単なる不動産の問題にとどまらず、防犯や地域の安全性に直接関わる重要な課題です。空き家をそのままにしておくと何が悪いのでしょう。空き家には大きく3つの問題があると言われています。


 1つ目が「保安上の問題」です。

 つまり、安全面で問題が発生するということです。住宅は、適切な管理がされていないと劣化が早く進みます。定期的なメンテナンスをしないと外壁材の剥落や屋根材が落下してしまうといった保安上の問題が生じます。 もし、放置していた家屋の外壁の一部が落下するなどして、たまたま通行していた人に当たるなどして、その通行人がけがをした場合、大変な責任を負いかねません。

 民法717条では土地工作物責任という規定があり「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者や所有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う」と規定しています。しかも、この所有者の責任は無過失責任と呼ばれる性質のものであり、損害が発生した以上、責任を負わなければなりません。

 また、日本の夏は高温多湿ですから、定期的に空気の入れ替えなどを行わないと、湿気がこもってしまい、湿気に含まれる多量の水分を木材が吸収してしまいます。このような状態になってしまうと、家の中にカビが発生する要因となり、さらに水分を含みすぎた木材が腐ってしまうのです。

 また、防犯上の観点から雨戸などを閉め切っている家などをよく目にします。雨戸を閉め切ってしまうと、太陽光も家の中に入りません。湿気がこもり太陽光まで入らない家はさらに腐食の進行が進んでしまい、畳などはすぐにカビが生え、急激な劣化を引き起こしてしまいます。換気ができないことによる家へのダメージは非常に大きなものになるといえるでしょう。

 2つ目が「防犯上の問題」です。

 まず、侵入・不審者の滞在リスクがあります。空き家は日常的な出入りや清掃、点検がされていないため、「誰も見ていない場所」となりやすく、不審者にとっては格好の隠れ場所となります。施錠が不十分であったり、窓やフェンスなどが老朽化していたりすると、侵入のハードルが下がります。夜間に侵入者が滞在しても気づかれにくいため、放置すれば犯罪の拠点化が進む恐れもあります。

 放火・不審火のリスクがあります。空き家は火の気がないと見なされがちですが、実際には不審火や放火の標的になりやすい傾向にあります。とくに古い木造住宅では火災の延焼速度が速く、万が一出火した場合、周囲の住宅へも被害が及ぶ可能性があります。放火は意図的に狙われることもあり、防犯上のリスクとして無視できません。

 また、不法占拠や違法利用も考えられます。長期間放置された空き家は、不法占拠や違法行為の温床になり得ます。例えば、ホームレスの無断居住、暴力団や犯罪グループによる使用、あるいは違法薬物の製造・保管など、地域社会に深刻な脅威を与える事例も報告されています。また、インターネット掲示板やSNSなどで「潜伏場所」として情報が拡散されることで、悪質な利用が広がる危険もあります。

  一般的に、空き家は長期間にわたって人の出入りや管理がされていないことが多く、周囲からの目が行き届きにくい状態にあります。そのため、不審者が侵入しやすくなったり、火の気のないはずの場所で不審火や放火といった事件が発生するリスクが高まったりするのが現実です。特に住宅街においては、そうしたリスクが近隣住民の不安を煽る要因にもなり得ます。

 3つ目が「衛生面・景観上の問題」です。

 管理が行き届いていない敷地では、さまざまな衛生上および景観上の問題が発生するおそれがあります。まず、無人または管理不十分な土地は、不法投棄の対象となりやすく、家庭ごみや粗大ごみ、さらには産業廃棄物などが敷地内に投棄されることで、悪臭や害虫の発生源となるほか、火災の危険性を高める場合もあります。

 また、そうした環境は野良猫やアライグマ、ハクビシンといった野生動物にとって格好の住処となり、敷地内に巣を作って定着することで、さらに動物の排泄物による強い臭気や感染症のリスクが生じます。

 さらに、庭木や草花の手入れがされないまま放置されると、雑草が異常に繁茂したり、庭木の枝が敷地外へと伸びて歩道や隣接地にはみ出したりすることがあり、通行の妨げや近隣住民への迷惑となるとともに、地域全体の景観を損なう要因となります。

 特に夏場や梅雨時などの湿度が高い時期には、草むらや腐敗したゴミの中で蚊やハエなどの害虫が大量に発生しやすくなり、刺されることによるかゆみや皮膚炎だけでなく、デング熱などの感染症を媒介するおそれもあるため、周辺住民の健康に対する不安も大きくなります。

空き家は近隣に危険を及ぼす可能性がある

 空き家は持ち主にとっての問題というだけではなく、近隣住民に迷惑をかけたり、危険を及ぼす可能性があるということです。その結果、近隣住民との争いごとが発生しかねません。さらに、適切に管理がされていない空き家の存在が、その地域の不動産の資産価値にまで悪影響を及ぼすことまでありうるため、空き家の持ち主だけではなく、地域全体の問題として捉える必要があるのです。 

 また、近隣住民への心理的・物理的影響もあり、周囲に住む住民は不安やストレスを感じやすくなります。「あの家は危ない」「夜は近づきたくない」といった声があがることも少なくありません。また、実際に事件が発生すれば、地域のイメージや不動産価値の低下を招くこともあり、広範囲にわたって悪影響を及ぼしますので、空き家の放置は持ち主にとっての問題というだけではないのです。

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