家財整理はどうしたらいいの?


遺品整理は単なる片付けではありません

 空き家の活用・処分を考える際には、まず最初に取り組むべきことがあります。それは、空き家となった家の中に残された家財道具の整理・処分です。特に、両親が亡くなったことで実家が空き家になった場合、その家の中には生活に必要だったあらゆる物がそのまま残されているケースが多く見られます。

 実際に実家の様子を思い浮かべてみてください。長年住み慣れた家には、衣類、食器、家具、家電製品などの日用品はもちろんのこと、神棚や仏壇のような宗教的意味合いのある品や、アルバム、手紙、趣味の品など、単なる物として割り切れない「思い出の品」も数多くあることでしょう。

 それら一つひとつを整理し、処分する作業は、精神的にも肉体的にも非常に負担の大きいものです。単に「片付け」といっても、その背後には親との思い出や、家族の歴史が詰まっており、そう簡単には割り切れない気持ちが湧いてくることも少なくありません。

 また、片付けの対象となる物の量も膨大であり、家一軒分となると、時間も労力も相当なものが必要となります。仮に兄弟姉妹や親戚の協力を得て総出で片付けにあたったとしても、まとまった日程の確保や、処分方法の選定、時には専門業者への依頼など、多くの課題が浮かび上がってきます。

 このように、空き家の活用を考えた時に、その前段階として家財整理という大きな山を乗り越える必要があります。そしてこの作業には、時間や人手、費用だけでなく、心の整理も求められるという点を、あらかじめしっかりと理解しておくことが重要です。

実家の片付けはプロの手を借りると早い

 自分ひとりではどうにもならない…そう感じたときは、無理をせず、専門家である遺品整理業者の力を借りるという選択肢を検討してみましょう。親の家や実家に長年保管されていた品々には、思い出が詰まっている反面、量が多くて手に負えないことも少なくありません。精神的にも体力的にも負担の大きい作業だからこそ、第三者の手を借りることでスムーズに進めることができます

 実家に残された遺品の中で、あなた自身が引き取ることができるものは、実際にはそれほど多くない場合がほとんどです。家具や家電、衣類などは、保管場所や使用目的を考えると、引き取るのが難しいケースも多いでしょう。そういったものは無理に抱え込まず、遺品整理のプロに依頼して、思い切って整理・処分することが現実的で賢明な判断です。

 ただし、片付けを進める上で注意しておきたいのが、重要書類や貴重品の扱いです。不動産の権利証や預貯金の通帳、印鑑、契約書類など、今後の手続きに関わる大切な書類は、遺品整理を始める前にきちんと確認し、保管しておくようにしましょう。たとえ遺品整理業者に作業を依頼する場合でも、まずはご自身で貴重品をチェックし、安全な場所に移してから本格的な整理に取り掛かるのが理想的です。

神棚や仏壇の処分について

 神棚や仏壇のことを「祭祀財産」といいます。これらは遺産の中でも特殊の財産なので、この点についても触れておきます。祭祀財産は、神社やお寺で閉眼供養(魂抜き)をした後で、仏壇仏具店に引き取ってもらうのが一般的です。この点、仏壇仏具店であれば、祭祀財産の取り扱いにも慣れているので不安なことが相談できます。

 また、仏壇を引き取るにしても処分するにしても、一人だけの判断で決めてしまうのは良くありません。ご自身に兄弟姉妹や親戚がいる場合は、後々のトラブルを避けるためにも前もって相談し、理解を得ておくことが重要です。家に仏壇を引き取る場合は、家族の理解も欠かせません。生活空間に関わることですから、一緒に暮らす家族・パートナーがいる場合は、事前に自宅に仏壇を引き取りたい旨を相談し、理解を得ておくことが大切です。

「遺品整理業者」か「不用品回収業者」か

 近年、空き家問題がメディアで取り上げられるようになり、実家を処分する人が増えてきたためか、遺品整理を請け負う会社も増えています。しかし注意しなければならないのは、一般的な「不用品回収業者」は遺品整理に特化していないことが多く、遺族の気持ちに寄り添った対応や、遺品一つひとつに対する丁寧な取り扱いは期待しづらいという点です。

 また、遺品に関する相談にも十分に応じてくれないケースがあるため、大切な品物を適切に扱ってもらいたい場合は、やはり遺品整理に特化した専門業者に依頼するのが望ましいと言えるでしょう。

 とはいえ、「遺品整理業者」と名乗る業者のすべてが信頼できるわけではありません。中には悪質な業者も存在し、依頼者とのトラブルに発展するケースも少なくありません。実際に、全国の消費生活センターなどには、「見積もりよりもはるかに高額な追加料金を請求された」「処分しない予定だった遺品を勝手に処分された」など、料金や作業内容に関する苦情や相談が多数寄せられているのが現状です。

 このようなトラブルを未然に防ぐためには、業者の実績や評判、契約内容の詳細などを事前にしっかり確認し、信頼できる業者を見極めることが非常に重要です。大切な人の思い出が詰まった遺品を適切に扱ってもらうためにも、慎重な業者選びが求められています。

 セカンドプラスでは、実家の空き家を賃貸物件として有効活用する方法をご提案しています。資産を最大限に活かし、将来的に家賃収入によって生活の安定や老後の資産形成に繋がるために様々なアドバイスやご提案を行っております。空き家の活用に困っている方・関心のある方は、無料の空き家現地調査を行っております。お気軽にご相談ください。


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